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JATIニュース

第20回研修会 講演一覧
基調講演

最新の科学的知見に基づくトレーニング指導を進めるために
~VBTのメタアナリシスから考える~

■ 講演概要

科学的根拠を踏まえてトレーニング指導を進めていくためには、日進月歩の研究成果に直接アクセスし、そこで示されているエビデンスを正確に理解することが必要です。しかし、個々の研究論文に逐一当たることは容易ではなく、個々の研究はその期間も対象者も方法も考察の視点も異なり、異なる結論が導かれることも少なくありません。

こうしたことから、近年、メタアナリシスという手法の研究が普及し、多くの個別研究の成果を統合的に統計処理することによって、一定の結論を得る試みが行われています。本講演では、VBTに関するメタアナリシスを取り上げ、そこから私たちは何を汲み取るべきか、またメタアナリシスをどう理解するべきかという問題を通して、科学的知見に基づくトレーニング指導のあり方を考えたいと思います。

長谷川 裕 氏

長谷川 裕 氏

龍谷大学名誉教授、JATI名誉会長、JATI-SATI

1956年京都府出身。1979年筑波大学体育専門学群卒業。1981年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。教育学修士。スポーツサイエンス、特にトレーニング理論とパフォーマンス分析の研究に注力している。広島県内の中・高等学校保健体育科教員を経て、1984年龍谷大学着任。2023年までサッカー部長兼監督。ペンシルベニア州立大学客員研究員兼男子サッカチームコンディショニングコーチ(97~98年)、名古屋グランパスエイトコンディショニングアドバイザー(2004~08年)、本田技研工業ラグビー部Honda Heatスポーツサイエンティスト(08~11年)。 スポーツ科学計測テクノロジーS&C Corporation代表。著書に『VBTトレーニングの効果は「速度」が決める』(草思社)など多数。JATI名誉会長、JATI認定特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)。

全体講演

トレーニング指導において大切だと思われること
~科学的根拠をいかに指導現場へ~

■ 講演概要

トレーニング指導者になる前の私は、トレーニングは一心不乱に努力し続けてさえいれば 結果はおのずとついてくるものと信じていました。その後、指導者への第一歩を踏み出すと、トレーニングには科学的根拠が求められることを学び、それまでの精神論から数字に 重きをおく論理的アプローチへと転換していきます。そして、すべてのトレーニングに対して明確な数値的な答えを求めていくようになっていきました。しかし、数字を追求し物事の道理を知れば知るほど、今度は自らの「無知の知」を知ることになります。なぜなら、対象者が人である限り、その人の数だけ答えが求められるから。一方で、その人にとっての最適解を見いだしていくことが、この仕事の醍醐味の一つであることにも気づきました。セミナーを通して、トレーニング指導の難しさとやりがいについて皆さんと共有できればと思います。

油谷 浩之 氏

油谷 浩之 氏

スマートシステムストレングス ファウンダー、JATI-SATI

1965年生まれ。90年関西学院大学卒業、2015年大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科博士前期課程修了。 関西学院中学・高校・大学と10年間アメリカンフットボール部に在籍。95年よりストレングスコーチとして活動を始め、シニア・キッズ・アスリートへのトレーニング指導を行う任意団体スマートシステムストレングスを創設。パナソニック各スポーツ部や神戸製鋼所ラグビー部、2022年~2025年には女子バレーボール日本代表チームストレングスコーチを務め、パリ五輪出場に貢献。JATI認定特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)。

分科会1A / 2A(座学)

血流制限トレーニング最前線
~その効果と生理学的メカニズム~

■ 講演概要

日本発の革新的手法として世界中のスポーツ・医療現場で注目を集める血流制限トレーニング。低負荷で高い運動効果を得られる点は広く知られていますが、最近は高負荷トレーニングへのブースト効果も注目されています。血流制限下の運動中に起こる体内での特異的な反応は、筋肥大や筋機能向上のメカニズム解明に科学的な貢献をもたらし、近年の国際的な研究加速により、そのエビデンスや新たな活用法は日々アップデートされています。本講演では、30年に及ぶ学術研究の知見を整理し、最新の生理学的メカニズムを解説します。健康づくりからスポーツパフォーマンス向上、リコンディショニング、サルコペニア対策まで、幅広い分野で明日から活用できる最前線の情報をお届けします。

栗田 興司 氏

栗田 興司 氏

フィジカル コンディショニング プロダクション合同会社 代表、JATI-AATI

東亜大学大学院人間科学専攻博士課程(健康スポーツ科学修士)。1996年パーソナルトレーニング施設「フィジカル コンディショニング プロダクション(PCP)」を設立。ジュニアからプロアスリート、オリンピアンの指導のほか、一般の方や高齢者の方へ向けた健康増進、サルコペニア克服プロジェクトなど、幅広い対象へのコンディショニング指導を行う。一般社団法人日本健康予防医学会常任理事、リアライン・イノベーション研究会副代表、JATI認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)。2021年JATI優秀トレーニング指導者表彰。

分科会1B(座学)

転倒予防の理論とトレーニングの実際
~競技選手から高齢者まで~

■ 講演概要

本講演では、転倒予防を「高齢者」と「競技選手」の双方に共通する課題として捉え、その理論と実践を体系的に解説します。先進国において高齢者の転倒は要介護化や死亡リスクを高める重大な問題であり、その予防は社会的にも重要な課題となっています。一方、コンタクトスポーツにおいても転倒は外傷の主要因であり、競技継続やパフォーマンスに直結するため、十分な予防法を確立することが大切です。本講演では、姿勢制御・筋機能・感覚統合などの転倒メカニズムを基盤に、科学的根拠に基づく評価とトレーニング方法を紹介し、現場で応用可能な指導の視点を提示したいと思います。

曽我部 晋哉 氏

曽我部 晋哉 氏

甲南大学 全学共通教育センター教授、JATI研究・国際委員会委員、JATI-SATI

1972年2月生まれ。2005年筑波大学人間科学研究科博士課程修了。博士(スポーツ医学)。専門はスポーツ医学、トレーニング科学。2002年より日本オリンピック委員会強化スタッフ、北京・ロンドンオリンピック代表チーム(女子柔道)ストレングスコーチ等を担当。現在は全日本柔道連盟教育普及委員会特別委員、指導者養成委員会副委員長をつとめ、転倒予防に関する新たな理論の構築や指導者育成を手掛けている。JATI研究・国際委員、JATI認定特別上級トレーニング指導者。

分科会1C(実技)

Core Power Yoga CPY®
~アスリートのパフォーマンス向上と障害予防のための運動療法~

■ 講演概要

スポーツ医科学に基づき構築されたコンディショニングトレーニング「Core Power Yoga CPY®」をご紹介いたします。本メソッドは、ヨガにおける瞑想や哲学、サンスクリット語などの要素を省略し、機能解剖学・バイオメカニクス・キネシオロジーの観点から再構築した38ポーズで構成されています。 体幹機能の最適化や姿勢制御の向上を通じて、パフォーマンス向上および障害予防に寄与し、アスリート指導やコンディショニング現場において再現性高く活用できる運動療法です。現場で即活用可能な指導のポイントを実践的にご紹介いたします。

本橋 恵美 氏

本橋 恵美 氏

一般社団法人 Educate Movement Institute 代表理事、株式会社 E.M.I. 代表取締役

ピラティス・ヨガを中心に、オリンピックメダリスト、陸上競技、ゴルフ、プロ野球、ラグビー日本代表などトップアスリートを指導。アスリート向けに発案した「アスリートピラティス」「Core Power Yoga CPY ®︎」は、スポーツ選手が求めるパフォーマンスアップや怪我の予防に直接つながる体幹トレーニングとして注目を集める。障害予防や機能不全の改善を目的とした運動療法を行うほか、整形外科医による「スポーツ医学アカデミー」を主宰。徳島大学医学研究科大学院在学中。医学修士。

分科会2B(座学)

エビデンスに基づくジュニア指導の再構築
~2008年からの膨大な測定データから導き出す「未来への処方箋」~

■ 講演概要

本講演では、2008年8月から18年間にわたり、全国各地で継続して行ってきた、幼児から大学生までの身長や体重といった体格、スピード、アジリティ、敏捷性、瞬発力といった体力・運動能力の膨大な測定データを分析することで、過去から現在に至って生じているジュニア世代の変化を浮き彫りにしていきます。また、浮き彫りとなった変化を基に、現代の特性に合わせた指導のアップデートを提案することで、次世代の成長を支える「未来への処方箋」を考察してまいります。

三島 隆章 氏

三島 隆章 氏

大阪体育大学スポーツ科学部 教授

1971年生まれ。2007年広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程修了(博士(学術))。専門はスポーツ生理学、発育発達学。現在はスポーツ科学部学部長、バスケットボール部男女部長も務める。ジュニア期の成長過程とスポーツ選手の体力・運動能力の発達に着目した実践的な研究を行い、多数の論文発表を行う傍ら、全国で測定会や運動教室等を実施。子どもの体力向上や運動能力向上ののための活動を積極的に行っている。

分科会2C(実技)

ジャンプトレーニングのすすめ方

■ 講演概要

様々なスポーツ種目のパフォーマンスにおいてジャンプは基本的な動作であり、ジャンプ力を高めることはトレーニングの主要な目的のひとつです。また、ジャンプをトレーニング手段として用いることで、下肢の筋力・パワー向上を図ることができるのは言うまでもありません。一方、ジャンプは極めて高強度の運動であるため、疲労やケガのリスクをマネジメントしながら効率的・効果的に実施する必要があります。さらには、ジャンプに影響する生物学的な性差を考慮し、トレーニングプログラムをデザインする必要があります。これらを踏まえ、どのようにジャンプトレーニングのセッションを進めれば良いのか、実践しながら方法論をご紹介いたします。

熊野 陽人 氏

熊野 陽人 氏

関西福祉大学 社会福祉学部/大学院 社会福祉学研究科 教授

2013年東海大学大学院体育学研究科修士課程修了。2016年鹿屋体育大学大学院体育学研究科博士後期課程修了。博士(体育学)。専門種目は陸上競技・跳躍、研究分野はコーチング学。フィジカルの強化に主眼を置き、様々な競技種目のアスリートを対象にジャンプトレーニングを行っている。プロチームの指導やオリンピック強化スタッフを歴任し、近年は女性アスリートの課題に応じたトレーニング実践・研究へ精力的に取り組んでいる。

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