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内容 |
12:00 - |
受付 |
12:30 - 13:15 |
「フィットネス-ファティーグ理論に基づく総トレーニング負荷の数量化とピリオダイゼーション」
【講師】長谷川裕(龍谷大学教授、JATI理事長、JATI-SATI)
ピリオダイゼーションとは、オーバートレーニングとプラトーを防ぎつつ、トレーニングの強度と量を調整しながら全体としてのトレーニング負荷をコントロールすることによって、最適なタイミングで最大の効果を得るためのトレーニング指導・管理法である。 従来のピリオダイゼーションは、おおまかな概念や考え方としてはある程度理解されていたが、具体的な展開としては、単なるウェイトトレーニングの%1RMやRM値と総レップ数を変化させることだけに止まっており、様々な手法が紹介されたがどれも決め手に欠き、特にスポーツの種目の違いやシーズンの違いによって実際に適用するのが難しいものも多くみられた。しかし、今日トレーニング負荷を総体として客観的な数量として捉える手法が開発され、かつフィットネス-ファティーグ理論の数理モデルに得られた数値を簡単に当てはめることが可能となり、新たなピリオダイゼーションの可能性が見えてきた。未来へ向けた新たなトレーニング指導・管理法として提案したいと考える。
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13:20 - 14:05 |
「故窪田登名誉会長の業績と筋力トレーニングの変遷」
【講師】有賀雅史(帝京科学大学 教授、JATI副理事長、JATI-SATI)
窪田名誉会長は、日本における筋力トレーニングの先駆者であり競技者、教育者、研究者として多大な貢献をされてきた。現在活動されているトレーニング指導者の多くは、窪田先生から学んだり、影響を受けているであろう。“唯一ベストなトレーニングはなく、目的や対象、状況を考え、より良いトレーニング方法を選択することが重要である”これは、生前、窪田先生から言われてきた教えである。 窪田先生のご経歴や主な活動と、筋力トレーニングの変遷について紹介する。 |
14:10 - 14:55 |
「トレーニングにおける知恵の重要性 ~未来に向けた文理融合型アプローチとT型・Π型人材養成への期待~」
【講師】有賀誠司(東海大学 教授、JATI副理事長、JATI-SATI)
トレーニングの成果には、体力的要因、技術的要因、心理的要因(いわゆる心・技・体)が大きく関わっていますが、社会、環境、文化など、極めて多くの要素が複合的に関わっています。トレーニング指導のプロセスにおいては、さまざまな要因を俯瞰的な視点で捉え、適切な課題解決や方針決定を遂行するための「知恵」が極めて重要であるといえます。 窪田登先生は、生前、トレーニング指導における歴史や文化を学ぶことの重要性を強調されていました。本講演では、これからの未来のトレーニング界の発展に向け、以下の論点から提案させていただき、今後の方向性について考えたいと思います。
1)自然科学系の手法とともに、人文科学や社会科学、芸術などの視点も加えた「文理融合型」アプローチの必要性
2)特定の分野のみを極めた「I型」人材から、幅広い見識も兼ね備えた「T型」、複数の専門性や全体調整力を有し、新たな価値を産み出す能力も備えた「Π(パイ)型」の人材養成への期待
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15:00 - 15:45 |
「レジスタンストレーニングの最新科学から見えてきた!新常識」
【講師】菅野昌明(愛知学院大学ラグビー部CD、JATI理事、JATI-SATI)
「筋肥大を目的とするレジスタンストレーニングでは、筋タンパク質合成に影響を及ぼす成長ホルモンの分泌を促すために、セット間休息時間は約1分間程度が最も適している!あるいは設定する強度は最大挙上重量(1RM)の70~85程度に設定することが必要!」といった、これまでのレジスタンストレーニングの理論は、トレーニング指導者はもとよりアスリート、トレーニング愛好家にいたるまで幅広く知られています。しかしながら、これまでの知見と異なるエビデンスが近年、多数報告されています。本講義では、レジスタンストレーニングの最新情報をいくつか概説し、今後のトレーニング指導にお役立ていただける内容を紹介いたします。
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15:50 - 16:35 |
「コアトレーニングを再考する」
【講師】油谷浩之(関西学院大学アメリカンフットボール部SC、JATI理事、JATI-SATI)
コアあるいは体幹、その字のごとく身体の幹・中心・芯や核とトレーニングをプログラミングするうえで外せないどころか根幹をなすパーツではないでしょうか。古くは上体起こし、上体反らしといった種目に代表される腹筋運動や背筋運動のみをもって身体の幹となる部分を鍛えられるとされていたように思われます。またそのことだけで動作パフォーマンスの向上につながると信じきっていたようにも思われます。しかし、ここ数年でコア(体幹)トレーニングにおいてもやはり唯一無二の方法はなく多種多様なコアトレーニングの方法が紹介されるようになりました。私の講義では、それらコアトレーニングの種目の意図といかにコアの能力向上を促し進めていくのがよいのかをエビデンスをふまえてご紹介させていただきます。 |
16:40 - 17:25 |
「データをコーチングに活かす 〜技術とフィジカルの要因分析〜」
【講師】久村浩(合同会社ベストパフォーマンス代表、読売巨人軍 育成担当フィジカル統括、JATI理事、JATI-SATI)
我々トレーニング指導者はクライアントに対してサービスを行いますが、競技スポーツの場合選手だけでなくコーチとも共同作業をしなくてはなりません。コーチが使うその競技独特のコーチング言語があり、選手やトレーニング指導者はそのコーチング言語を具現化しようと日々努力している事でしょう。その言語を数値化できれば選手・コーチ・トレーニング指導者の共通言語ができ、具体的にどのような現象が起こっているかが理解しやすいのではないでしょうか。今回は野球のバットスイング指導の実例をご紹介したいと思います。また、トレーニング指導の中の言語コーチングの具体的なデータ化やコーチの主観を科学的な手法を用いて客観化した例をご紹介します。 |