<特定非営利活動法人>JATI-日本トレーニング指導者協会-

セミナー詳細

「スポーツ選手の傷害予防と競技パフォーマンスを最大限に引き出す戦略的な取り組み」合同シンポジウム:日本アスレティックトレーニング学会・日本トレーニング指導学会
「スポーツ選手の傷害予防と競技パフォーマンスを最大限に引き出す戦略的な取り組み」

スポーツ選手の傷害予防と競技パフォーマンスを最大限に引き出すためには、それに関わる様々な要因を多角的に分析し、その改善を図ることが必要である。特に競技毎にその特徴は異なるため、競技特性に合わせた戦略的な準備とそれを実践する遂行能力が求められる。近年では、その要因分析を多角的に実施するための機材やIT技術も活用して行われていることは少なくない。そこで本シンポジウムでは現場でアスリートの傷害予防や競技力向上に関わるトレーニング指導及びアスレティックトレーニングの専門家から取り組んでいる試みを紹介していただき、本シンポジウムにおける情報交換とディスカッションを行う場としたい。

    概要

◆日程   2018年7月25日(水) 14:30 - 18:00 

◆会場   東京ビッグサイト (SPORTEC2018内) P会場

◆参加費   事前申込:4,000円
当日申込:5,000円

◆単位   JATI 3.5単位

◆定員   調整中



    共同座長

  笠原 政志

国際武道大学・大学院 准教授、体育学博士、JSPO−AT、JATI -AATI

1979年千葉県生まれ。国際武道大学卒業・同大学院修了。鹿屋体育大学大学院博士後期課程修了(体育学博士)。現在は国際武道大学にて学生トレーナー教育の傍ら、アスリートの傷害予防と競技力向上に関わる実践研究を実施している。2015年にAustralian Institute of Sport客員研究員としてアスリートのリカバリー研究に従事してきた経験を活かし、コンディショニングに関わる研究と実践を行っている。千葉県アスレティックトレーナー協議会会長。日本アスレティックトレーニング学会代議員。ライフセービング日本代表アスレティックトレーナー。

  有賀 雅史

帝京科学大学教授、JATI副理事長、JATI-SATI

1958年東京出身。85年早稲田大学教育学部卒業。2006年女子栄養大学大学院(臨床栄養医学)修了。女子栄養大学兼任講師、昭和学院短期大学教授、国際武道大学体育学部非常勤講師等を経て、2011年より現職。 イオン新体操クラブコンディショニングコーチ、ミズノゴルフスクールフィジカルコーチ、JOC強化スタッフ(新体操)。中田英寿氏(元サッカー日本代表)、西村晃一氏(プロビーチバレーボール選手)、大黒摩季(アーティスト)らのパーソナルトレーナーを務める。 著書(共著)に『ストレングス&コンディショニングⅠ・Ⅱ』、『トレーニング指導者テキスト実践編』、『トレーニング指導者テキスト実技編』(大修館書店)など。JATI認定特別上級トレーニング指導者。



    シンポジスト・講演テーマ

演題 陸上競技選手のハムストリングス肉離れ予防のための戦略的な取り組み
 
講師 加藤基  (帝京大学スポーツ医科学センター 講師、修士(スポーツ医学)、JSPO-AT) 
 
概要 ハムストリングス肉離れは陸上競技、サッカー、ラグビーなどのスプリント動作を含むスポーツで好発する傷害である。完全復帰までに時間を要することや再発率が高いことから、古くからアスリートにとって非常に厄介な傷害の一つとして認識されている。近年までハムストリングス肉離れに関する知見に革新的な進歩があったとはいえなかったが、2010年代からハムストリングス肉離れの予防に関する研究が国際的に発表され始めている。本発表ではハムストリングス肉離れの予防・再発予防に関する近年の学術的な知見を紹介するとともに、それを踏まえたスポーツ現場での対応の工夫について紹介する。今回紹介するハムストリングス肉離れ予防のために重要な戦略は、1)基礎的な可動域・筋力を獲得すること、2)伸張的な筋収縮を取り入れること、 3)運動を3次元的に捉えること、4)運動の複雑性・変動性を意識すること、5)疾走動作の安全性を確保すること、6)急激な疾走速度の変化を避けることである。
 
 1981年愛知県生まれ。2007年3月筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻中間評価修了(修士(スポーツ医学))。2008年より帝京大学にてアスレティックトレーナーの養成に関わる。自身がアスレティックトレーナーとして主に陸上競技に関わってきた経験から、ハムストリングス肉離れの評価やアスレティックリハビリテーション・予防に関する研究の必要性を痛感し、ライフワークとして取り組んでいる。フィールドワークとしては、陸上競技選手のコンディショニングや(公財)日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員として陸上競技大会や東京マラソンなどの救護活動の企画・運営・統括を行っている。

演題 サッカー選手の膝関節靭帯損傷予防のための戦略的な取り組み
 
講師 笹木正悟  (東京有明医療大学保健医療学部/大学院保健医療学研究科 講師、博士(スポーツ科学)、JSPO-AT、JATI-ATI) )
 
概要 重傷度の高い外傷である膝前十字靱帯(ACL)損傷は手術適応になるケースが多く、半年から1年に及ぶ競技離脱といった短期弊害のみならず、将来的な変形性膝関節症のリスク増大といった長期弊害をはらむ疾患である。ACL損傷は女子選手に好発しやすい代表的外傷であるが、サッカーの競技人口(男子[中学生以上]:約57万人、女子:約3万人:JFA 登録者数)を考えた場合には男子選手においても遭遇する機会は少なくない。サッカーにおけるACL損傷は膝関節への直接的なコンタクトを伴わない「非接触型損傷」が多く、戦略的な予防の可能性がある外傷である。本発表では、サッカー競技におけるACL受傷メカニズムと予防プログラムを整理するとともに、予防効果を高めるためのポイント、競技復帰(再受傷予防)に向けたアプローチなどについて紹介する。
 
1982年 福井県生まれ  
2005年 早稲田大学人間科学部スポーツ科学科 卒業  
2007年 早稲田大学大学院人間科学研究科 修士課程修了  
2009年 東京有明医療大学保健医療学部 助教  
2012年 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 博士後期課程修了  
2013年 東京有明医療大学保健医療学部 講師 (現在に至る)  
早稲田大学ア式蹴球部アスレティックトレーナー  
日本フットボール学会理事

演題 アスリートの競技力向上に向けた戦略的取り組み~バレーボール選手の事例を中心に~
 
講師 有賀誠司  (東海大学教授、JATI副理事長、JATI-SATI)
 
概要
本講演では、バレーボール選手の跳躍高向上のための体力強化の戦略的アプローチの実際について、事例を中心に紹介する。演者は、バレーボール選手が高く跳ぶ能力を高めることを目的としたフィジカルトレーニングの長期計画において、「最大筋力向上」、「パワー向上」、「プレーへの適応」の三つのプロセスを段階的に展開するプログラムを採用している。また、三つの段階に関連するテストと評価を定期的に実施し、トレーニング効果が思わしくない場合には、該当する要素をピンポイントで強化する取り組み(課題解決型アプローチ)も行っている。その他、垂直跳びに優れた選手と、リバウンドジャンプ能力に優れた選手をグループ分けし、それぞれに応じたプログラムを採用する方法、ポジションやプレー局面に応じたジャンプ動作の特性を考慮したトレーニング等についても紹介したい。
 
筋力トレーニングに関する研究及び教育活動に従事するとともに、国内最大規模の東海大学トレーニングセンターにて、学内の運動部に対するトレーニングの指導・統括を担当。これまでに、柔道、バレーボール、スキージャンプなど、多数の日本代表チーム及び選手のトレーニング指導の実績を持つ。ボディビル選手としては91年、93年にアジア選手権準優勝の成績を収めている。 主な著書として「基礎から学ぶ!筋力トレーニング」「筋トレバイブル 小・中・高校生編」(共にベースボール・マガジン社)などがある。NEC女子バレーボール部トレーニングアドバイザー、国立スポーツ科学センター客員研究員、日本トレーニング指導者協会副理事長。

演題 トップアスリートへのハイパフォーマンスサポート~競泳選手の事例を中心に~
 
講師 田村尚之 
(国立スポーツ科学センター 主幹トレーニング指導員、JATI理事、JATI-SATI)
 
概要  
 
1965年生まれ。1989年東海大学工学部卒業。 会社員を経て、スポーツクラブのインストラクターとなる。1997年 オンワード・スカイラークス(アメリカンフットボール)ヘッドS&Cコーチ、2001年 全日本女子柔道、コマツ女子柔道部等のストレングスコーチを務め、国立スポーツ科学センター(JISS)研究員に就任。競泳やシンクロナイズドスイミングなど多数の日本代表レベルのアスリートのトレーニング指導を担当する。 特に競泳界ではそれまでほぼ行われていなかったウエイトトレーニングを導入し、北島康介選手の2大会連続金メダル獲得をはじめ、中村礼子選手、寺川綾選手など多くの指導選手がオリンピックや世界大会でメダルを獲得。2016年リオデジャネイロオリンピックでも、萩野公介選手、金藤理恵選手、瀬戸大也選手、星奈津美選手などのサポートにあたり、多数の入賞・メダル獲得を果たすなど、日本の競泳界の国際競技力向上に貢献。 JATI関東支部委員、JATI認定特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)。
 

 
    お申し込み
 
参加申込→SPORTEC2018webサイトにて受付中 
※7月25日 P会場 P-3
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